つやのある深い紅の塗り。
東北工芸製作所の「玉虫塗のナッツボウル」は漆塗りのこぶりなうつわです。
「玉虫塗」は、艶やかに照り返す発色と光沢が特徴の、仙台生まれの漆芸です。光の加減で色合いが微妙に変わる、その豊麗な色調がタマムシの羽根に似ていることからこの名が付けられました。「銀粉」を撒き、その上から「染料」を加えた透明な漆を塗り上げるという独特の技法で、これまでの漆器にはない、鮮やかな色と輝きを生み出しています。
やはり色がとても美しく、見る角度によってわずかに色の深さが変わります。
この奥行のある色味は、下塗りと中塗り・上塗りの間にある銀蒔きという銀粉を吹き付ける工程によって生み出されるそう。
色のたまりやふちの照りなど、大量生産では出すことのできない独特の風合いがたまりません。
私はナッツボウルとしてではなく、ペンダント置き場として活用しています。雰囲気があり、置くだけでもとても様になります。今ではペンダントの寝室としてなくてはならないモノです。
東北工芸製作所の玉虫塗は、特殊コーティングの研究と開発によって、食洗器にも耐えられる漆工になっています。お手入れも楽で使いやすいです。
昔、ほしいと友人に話したところ、結婚祝いとしてプレゼントして頂いた品。
以前大きめの地震にあった際、棚から落ちて傷が入ってしまいましたが、それもモノの歴史の一つとして愛らしく思っています。
せおぶんぐ